暑さに負けて、いよいよ綿コーマの浴衣で茶道教室へ行きました。この浴衣は42年前に大学の授業で自作した「単衣長着(ひとえながぎ)」です。
生まれて初めて縫う和服。しかも自分の浴衣。とにかく嬉しくて、張り切って反物を探しました。当時の私は寮生活。帰省した際に、昔からお世話になっていた実家近くの洋品店を覗いたら、何故か反物も売っているのを発見。お店のおばさんと久しぶりにおしゃべりしたことも嬉しくて、そこにあった紺地にオレンジ色のひまわりの柄を買いました。
実習授業が始まり、厳しくて有名な和裁の先生だというのもあって、絶対失敗しないようにと緊張していました。最初の関門は裁断。お気に入りの反物を広げて、必要な寸法で柄合わせを考えながら印をつけて行きましたが、途中でどうしても片方の袖の長さが足りないことが判明しました。
おかしいなあ?教科書通りにやってるのに。
何度も確かめますがやっぱり足りないのです。助手の先生に見ていただいてもやっぱり不足。どうやら購入した反物が12mより短くて、164cm身長用の反物ではなかった、ということのようでした。そういえば、反物を探していた時に「ロングサイズ」という札を見た記憶もあります。ただ圧倒的に数が少なくて可愛い柄もなかったので最初から自分の選択肢にはありませんでした。今なら170cm以上トールサイズ用の反物もありますけどね。
授業は始まっちゃっているし、どうしたもんかとしょげていたら、寮生活の私のために、都内在住の友人が翌日には大手呉服チェーン店でロングサイズの反物を買って来てくれたのです!ただ、自分で選んだ柄じゃないので意欲は半減。襟のカーブなどは上手くいかなくて、縫うたびに先生に解かれて、辛い思い出しかない単衣長着です。今となっては長く着られるのでこの柄で良かったんですけどね。
さっちゃん、その節はお世話になりました!
水通しもせずに縫ったので、その後の洗濯で縮み、今となってはやや小さい仕上がり。しかも着付のイロハもわかっておらず、ただ真っ直ぐに縫っているので微妙に着づらいのです。今年もまた着るのに苦労しました。
お稽古は茶事の練習で、盛り付けや作法の手順まで細かく教わり、漆器の扱いやしまい方も教えて頂きました。相変わらず見事な先生のお料理の腕前。海老しんじょって自宅で作れるのか、と驚いてしまいました。野菜も全て先生が栽培しているものばかり。生活全般を見習いたいと思います…が、私にはとうていできませんね。
さあて、次回は何を着て行こうかな。