還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

面相筆(めんそうふで)が大好きでした。

絵画

靴がモチーフの素人作品(部分)。お恥ずかしい・・・

 面相筆(めんそうふで)が大好きになったのは、学生時代に課題の絵を描いたのがきっかけです。それまで自分の絵具箱に入っていた筆は、根元から先まで平らな平筆か、根元は平らなのに先が丸い丸筆のみ。根元から先まで丸い形の絵筆は持っていませんでした。初めて面相筆を見た時に書道の小筆かと思ったくらいです。その筆で輪郭を描くことを習い、いろんな線を描きました。使うのは難しかったですが、細い線が描けることに魅了され、細かいドット模様や曲線を描いては楽しんでいました。

 

 大学卒業後、刺しゅうの研究室に勤務していたときに、自分の図案でも刺しゅう作品を作りたいと考え、仕事終わりに図案教室に通っていました。毎週、美大の先生に教わりながら、まずは植物の写生から。次にそれを図案化して水彩画にしましたが、そのときも面相筆が大活躍。コスモスの細い茎や葉を、大きな円の中に図案化した作品では、細長い茎を円弧に沿って長く描かなければならず、息を止めて慎重に描いたものです。

 

 私は下手の横好き。絵を褒められたことはあまりないのに、絵を描くことが小さいときから好きで、小学校3年生から絵画教室に通わせてもらっていました。父の同級生が教室の先生でしたが、ときどきは美大の学生さんが教えてくれることもありました。A2サイズくらいの大きなスケッチブックに水彩画を描くのですが、下書きは鉛筆でするものだと思っていたら、その教室では細めの丸筆で茶色の絵具を薄く溶き、それで下絵を描くようにと指導されました。なぜそれが良いのかは今となってはわかりませんが、私には鉛筆で緻密に描く下書きよりもそのやり方があっていたようです。

 スケッチブックが2冊終わるころ、ほかの生徒さんが取り組んでいる油絵に興味が出て、小学校4年生から油絵を習うようになりました。ところが、すぐには乾かない絵具の特性に慣れず、また作業着を着て行くことを知らなかったので、お気に入りのセーターに大きな油絵具のシミをつけたりして失敗続き。高い道具を親にねだって買ってもらった手前、水彩画に戻りたいとも言えず、結局絵画教室からだんだん足が遠のいていきました。

 長机に絵を置いて、座布団を敷いて座って描いていると、私の背後から先生が絵を直してくださいます。先生は、髪の毛がぼさぼさ、無精ひげ、いつも笑顔でヘビースモーカー。タバコの灰が私の頭上に落ちるのではといつもヒヤヒヤしていました。私にとってはその先生が「芸術家」のイメージとして今も刷り込まれています・・・。

 

 図案教室も結婚を機に辞め、育児休業中はNHK学園の色鉛筆画の通信教育を受講するなど、絵を描くことをほそぼそと続けてきましたが、ここ20年は遠のいてしまいました。最近描きたいのはファッション画。自分で服を縫う楽しみを覚えたので、自分の作品を描いて残したいです。