還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

「〆切を守って、ノートあげてね。」

入道雲

「ミッキー、どこに行くの?」麻雀教室が終わって外に出たら、こんな雲

 

※今日は、今週のお題「これって私の地元だけですか」について書きます。

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 「じゃあ、〇〇(教科名)係は△△(〆切日時)までにクラス全員の分をまとめて、職員室に持って来てね。」

 タブレット教育が普及しているとはいえ、学校ではノートやプリントの提出はありふれた日常です。最近は教科専用のサブノートを持たせる教科も多く、新品のときは1冊の厚さが7~8㎜ですが、使い込んでくるとノートはだんだんふっくらとしてきます。

 1クラス40人なので、40人分積み上げるとその高さは40㎝弱。しかも定期試験直後は、複数の教科がノート提出を同時期に義務付けるので、職員室内には置ききれず、職員室外側の机上にも、うず高く積まれることがよくありました。

 

 私は高校生まで茨城育ちですが、先生にノートを提出することを「あげる」と言ってきました。教師側もごく普通に「明日までに、ノートあげてね。」と声をかけてきます。

今思えば、「あげる」は「上げる」のことかな?献上するという意味なのかもしれませんね。

 

 薄々は方言かなと思っていたので、都内の高校で講師をしていた若い頃は、恥ずかしさもあって絶対に使いませんでしたし、郷里の高校で教師をしていたときも、私は意識して「提出してね。」と言ってきました。(無意識だと、あげてね、になっちゃう!)

 ただ、周囲の同僚たちはごく普通に使っていて「何で〆切過ぎてから、あげてくるの?」と提出日を守らなかった生徒に、強い口調で注意している光景も日常茶飯事でした・・・。

 

 私が教員になって20年以上もたったある日。実家で、80歳近い母親に

「最近、生徒がなかなかノートをあげなくてさ・・・」と言ったら、

「あげる?誰に?」と返されました。

「もちろん、私にだよ。」

「???」

 東京出身の母親は「ノートをあげる。」とは「ノートを差し上げる。」つまりプレゼントする、と捉えたようで、娘の発言が理解できなかったようです。さすがに高々と持ち上げるとは思わなかったそうですが。

 母からはたびたび、茨城弁のイントネーションを直されたり、言葉を聞き返されたりしているので、またそこで確信。やっぱり「あげる」は方言だったか・・・。

 

 翌日、仲良しの同僚(国語科教師)にそのことを伝えたら、最初は信じてもらえなくて、それはそれで驚き!当たり前のことって、染みついてしまうと、それについて疑問さえ感じないのですね・・・。平和な事柄ならよいけど、そうでない場合の「当たり前」は、時には疑うことも大切かもしれない、などと考えるのは、やや飛躍しすぎているかな?

 

 ちなみに、その同僚は退職して再雇用になった今でも、生徒に「早くノート、あげてね~」と言っていると思います。方言、万歳。