昨年夏に福島県浪江町や双葉町などを旅した話題の続編です。
その中で染め直しのショールのことを書きましたが、昨日それが無事戻ってまいりました。しかも、買った時よりも鮮やかな色に生まれ変わって。
茜で染め直してくださったとのこと。茜の根っこでこんなにきれいな色になるとは、不思議です。明るい色を目にすると心も華やぎますね。涼しくなったら羽織ってお出かけしたいなあ・・・。
紫色の巾着袋はプレゼントとして同梱されていました。ログウッドで染めたものだそうです。ログウッドを調べると染める前は茶色。それがこんな紫色に発色するんですから、これも草木染の妙でしょうか。草木染の歴史が長い理由がわかる気がします。今更ながら、自然の力ってすごいですね。
ドライのユーカリは飾ってもよし、葉をお湯につけて香りを楽しむもよし、だそうです。
染色された方は、ご自宅のあった浪江町に戻るたびに「浪江に色がない」との思いから染色を始められたそうですが、最初は避難先の庭に植えたまま忘れていたニンジンの花がきっかけだったそうです。きれいな黄色に染まったのを見て、気持ちが明るくなったとお手紙に書いてありました。
浪江町のご自宅は大きな農家だったそうですが、すでに解体してないとのこと。倉庫をリフォームして人が集える場所にしていらっしゃるそうです。
ご本人は震災の語り部として、紙芝居を通じて全国をまわっているとのことでしたので、一度、その紙芝居を見てみたいです。
あの東日本大震災からすでに10年以上の時が過ぎ、何となく忘れてしまいそうになりますが、当事者の皆さんにとっては復興なんてまだまだ先のお話のようです。
偶然に購入したショールから、この夏は思いがけない出会いがあり、自分でもびっくり。未来のことなんて、誰と出会うかなんて、本当にわからないものだなあとつくづく思いました。
この鮮やかな茜のショールを見ると、人と人との繋がりや手仕事のぬくもりを感じて、ふわっと温かいものに包まれる気がします。
縁あって生まれ変わったショールや頂いたお品、ずっと大切にしたいです。