暑さも落ち着いてきたので、お茶のお稽古に自転車で行くことにしました。
ゆっくり漕げば30分くらいだけど、遅れたら皆さんに迷惑がかかるな、と久しぶりの自転車にやや不安。かなり余裕をもって家を出ました。
3ヶ月前に通ったときは大きな工事をしているところがいくつもあって、自転車で通行するのがややストレスでしたが、今回は工事箇所はゼロ。ゆっくりのんびりと走らせることができました。歩道の草は相変わらず伸び放題でしたが、新しいお店ができていたり、閉店したと思われる建物もあったり、少しだけ風景が変わっていました。
30分以上早く先生のご自宅に到着。先生もまだ作務衣姿で忙しく準備中のご様子。
早速「お花の準備をお願いね。」と言われました。
え~?お花?ですか・・・。
これでも18歳~20歳まで草月流を習ってはおりましたが、父親の強い勧めで通っていただけなので、あまり身についておりません。月謝を払ってくれた亡き父にはホント申し訳ないです。
しかも茶花は特有のしきたりがあるので、全くわかりません。お茶碗の準備ならできるんだけどなあ・・・。
お稽古着に着替え、花切ばさみをお借りしてお庭へ行こうとしたそのときに、別の生徒さんが自転車で到着。しかもカゴには新聞紙にくるまれたススキが見えます。先生もそれに気づかれ、「あら、ススキもいいわね・・・。」と一言。私の任務はそのススキをお預かりして活けることへと変更になりました。少しはホッとしましたが、さてどうやって活ければよいのでしょう。
新聞紙を拡げたら、ススキのほかにシュウメイギク、ムクゲもありました。どれも持参された生徒さんのご自宅のものだそうです。
よく見るとススキの葉に白い模様がついています。病気のススキ?と思っていたら、斑入のススキとのこと。私はススキの葉に斑が入っているのを初めて見ました。
シュウメイギクもムクゲもところどころ枯れたり折れたりしています。こんな花を飾るの?と思っていたら、先生が「今日は残花を飾りましょう。」
ざんか?
そろそろ、10月。夏から秋へと変わる時期に、厳しい暑さを耐え抜いた植物を飾り、侘びの風情を楽しむのだそうです。
「本数も少なくしてすっきりがいいわね。」と、先生はススキ、シュウメイギク、ムクゲを各1本選び、込み入っている葉をどんどん取り除きました。私は花入(はないれ)に水を入れただけで、先生が手際よく活けてくださるのを拝見するのみとなり任務終了。いつかは自分で活けられるようになりたいものです。
名残の残花。
少々葉が茶色でも、茎が折れていても、虫に喰われていても、それらを美しいと愛でるとは。日本人の侘び、ってすごいなあ。
茶道の趣向に、また感銘を受けました。