過ごしやすい気候のせいで、和服熱が再燃しております。私が着物に本格的に目覚めたのは50歳少し前。ここ10年で知識を蓄え、着付けも覚え、今では自分で着て出かけられるまでになりました。お茶のお稽古も始めたので、いつでも着られるように、姿見の前には着付け用具が常時スタンバイされています。
そんな私が着物を着るときにいつも悩んでいること。
『身長が164㎝あるので、半分の帯幅で身体に巻くと、身長に対して細すぎてバランスが悪い(と思っている)。』
名古屋帯は、最初から帯幅半分に折られているのものが多くて、その幅が15㎝くらい。それだと私にはやっぱり細い(と感じる)。個人的には17㎝、せめて16.5㎝は欲しいんです!
帯幅を太く見せようと2周目をずらして巻くこともありますが、それをあまりよく思わない諸先輩も一定数いらっしゃるから、着て行った場所によっては視線が気になることも・・・。
ちなみに、斜めにずらして巻いちゃったら、それは石川さゆりさんでーす。
悩み2つ目は『さっさと着て出かけたい。』
半分に折られていない、開き名古屋帯や袋帯で対応はしているのですが、それはそれで着るときに時間がね~。かかるんですよ。
そもそも着物って、種類や素材によって、毎回考えながら着る必要があります。ファスナーやボタンでいつも同じに着られる洋服とは違うんですよね。だから、着物離れが進んじゃったのかも・・・。帯の柄の配置を考えたり、扱いにくい素材のときは、それこそ時間がかかります。
時短で着たいよ~。
これらのモヤモヤを解決するべく、
『だったら、帯を二部式にしちゃえばいいじゃん!』
を、本日決行いたしました。
手持ちの帯を二部式に注文すると10,000円以上はかかります。数年前に実は1本作ってもらっていますが、このときに帯幅も太めにしてもらったので、その帯は着用頻度がものすごくあがりました。帯を身体に巻いて、お太鼓を乗せればいいだけで、いつも同じように着られるんです。
そう洋服みたいにね。
そして何より、帯が二部式だということは黙っていたら絶対にばれません。それほど完成度が高いものなんです。収納にやや場所をとるのが難点ではありますが。
今回の帯は実母のタンスから出てきたもの。私の母は全く着物には関心がないので、なぜこのエスニックな帯を持っていたのか?和裁学校の先生をしていた祖母が嫁に買ってやったのか?今となっては不明です。
とにかく半世紀以上前の帯。万が一失敗したとしてもそれほど落ち込むことはありません。ということでえ~い!とハサミを入れました。
切るまではあちこち測ったりして熟考していたくせに、一度切ってしまったら何ともいえない快感が!これぞ、禁断の果実か?
今回苦戦したのは手縫いが全くできなかったこと。縫い針が通らない強靭な帯地だったので、あちこちミシンのお世話になりました。見えないところにミシンをかけるのも秘密めいてる!それだってきっと誰にもばれません・・・えへへ。
思い立ってから2時間半で完成。最初の作品にしてはなかなかの出来栄えかなと自画自賛。
何だか嬉しくて、着付けに悩む茶道仲間にLINEで早速報告しました。今度のお稽古でお披露目予定です。
私、今度からリサイクルショップで帯を見るときは「切ること前提」で見てしまいそう。あと、針が通るかどうかも、要チェックですね。