還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

嫁入り訪問着で初釜。

今週のお題「一生モノ」

訪問着

つま先閉じるのを忘れ、襟が崩れたままだった!残念。

 

 お茶のお稽古が初釜(はつがま)だったので、いつもよりいい着物をと、嫁入りで持たされた訪問着と袋帯で出席しました。お茶にはやや派手なコーデだったかな?

 

 私の結婚が決まったとき、本家の伯母が「嫁入り道具として、せめて訪問着と喪服は必要よ。」と、着物に興味が薄い母を説得。伯母が行きつけの呉服店に3人で出かけたのでした。(ちなみに、伯母はお茶、お花、着付け、洋裁すべてできました。)

 小さな店の2階には広い座敷があり、反物や帯がズラーッと並んでいます。伯母が店主とあれこれ相談して、鏡の前に立った私の肩に次々と反物がかけられ、

「どれがいいかしらね〜。」

 

 彼らの薦めるものは永く着られる上品でおとなしい感じ、私がいいと思うものは若い時にしか着られない派手なもの。さんざん迷った挙句、当時大流行の辻が花で決定。しかも、まっピンク!背が高い私にピッタリだと周囲は絶賛。私もくたびれて「もうそれでいいです!」っていう感じの決め方でした。合わせる袋帯は伯母がプレゼントしてくれるというので、全てお任せ。

 伯母には息子しかいなかったので、伯母も終始嬉しそうでした。

 

 寸法も取り、これで終わるのかと思いきや、伯母が呉服店の新築住居を見たいと言い出しました。結構な買い物をした後だったからか、店主も快諾。伯母は最初からそのつもりだったのでしょう。

 

 店は小さいのに、住居はとても広くてびっくり。室内はまるで京都の貴族の?お屋敷のよう。茨城の田舎にあるとは思えない家でした。お庭ももちろん京都風。伯母が見たいというのも納得です。

 あるお部屋には着物が3着、ハンガーにかけられていました。その前日、店のお嬢様が大学の謝恩会だったそうで、店主ご夫婦とお嬢さんとで出席し着用したものだそう。「風を通しているんですよ。」とのことでしたが、着物に詳しくない私でも見るからに高級そう。特にお嬢様の振袖は艶やかでした。

 

 さて、まっピンクの訪問着は、おかげさまで息子たちの七五三や入学式、卒業式などに重宝しましたが、40代になってくるとさすがに「痛い」色合いとなり、染め替えを決意。薄い若葉色をのせたら、全体に淡い柿渋色になって生まれ変わりました。

 還暦になり、久しぶりに出して着てみたら

 あら、いい感じ。

 年齢を重ねるのも悪くないなあと思いました。柄は派手だし、袖も長めですが、これからもずっと着ていくつもりです。亡き伯母もきっと喜んでくれているんじゃないかな。