茶道教室で、お客様をお招きしての茶事(ちゃじ)がありました。先生曰く「源氏物語をテーマに、乙女の茶事」だそうです。
本格的なものではなくて、私たち生徒に合わせた内容で省略事もありましたが、それでも準備から後片付けまで4時間半かかりました。
濃茶(こいちゃ)や薄茶(うすちゃ)、炭点前(すみてまえ)の準備は先輩2人がなさり、私は別の生徒さんと3人でお料理係。しかしながらほとんど先生が途中まで準備なさってくださっていて、私たちは主に盛り付け役でした。私は味見係も任されましたが、今思うと責任重大の役でした。
和え物(あえもの)は三杯酢で味をつけるように先生に言われたのですが、料理係の3人は「かんたん酢があるといいね。」と先生宅の台所を物色。見つからなかったので、先生宅の目の前に住んでいる係の1人が「私が自宅から取って来ますよ。」と。
そんな話をしていたところへ先生から「三杯酢も自分で作りましょう。それがお勉強。」と言われ、3人で「は~い。」と苦笑い。
盛り付け前の味見で汁椀はやや味が濃いようだと、先輩の生徒さんが私に言います。私も濃いなあとは思いましたが、ほかの料理とのバランスを考えても、自分には何が正解かわかりません。結局「これでいきましょう!」ということに。
食事が始まり、先生が汁椀に口をつけて開口一番
「あら、ずいぶんとしっかりしたお味だこと。」
あ~やっぱり濃かったか~。
汁を何度も温めているうちに煮詰まったのが原因と思われます。
私はいつも「かんたん酢」を使っています。久しぶりに三杯酢を口にしましたが、酢独特の強い酸味を味わって、かえって新鮮に感じました。
「かんたん酢」はいかに酸味がまろやかに作られているのか!
ちゃ~んと作るのってやっぱり大切ですね。
食事が進み、ほかのお料理もすべて口にされた先生が、「(味が)薄いものもあるので、これで(汁椀の味は)よかったのね。」とおっしゃったので、ひと安心でしたが、今後ますます精進しなければならない分野。
裁縫は大好きだけど、料理は苦手な私です・・・。
土鍋で炊いた飯をよそったあと、焦げがついている土鍋に水を入れてまた火にかけて、湯桶(ゆとう)という器に入れ,最後にたくあんと一緒にいただいて、飯椀や汁椀をきれいにする作法や、
全員でお箸をストンと落として音を出し、食事の終わりの合図にすること、
懐石と主菓子(おもがし)をいただいたあと、茶席が整ったことを知らせる合図として銅鑼(どら)を打つことなど、新しいことをいくつも学びました。
ちなみに主菓子は私が山形で買ってきた杵屋の最上小石(もがみこいし)というお菓子です。2019年にJAL国際線ファーストクラス機内食に採用されたお菓子ということで、先生はじめ皆さんが興味津々。
薄茶も私が岡山県で買い求めた抹茶を先生がお選びになり、どちらも皆さんで味わっていただいたので、とても嬉しかったです。
旅行先で和菓子やお抹茶を探すという新たな楽しみができました。