還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

めいすいだて のお勉強

水差し

しめ縄、幣束(へいそく)飾りの水差し


 茶道教室の先生が、まだ正座が難しい私に配慮してくださったので、今日は立礼(りゅうれい)、つまり椅子式でのお稽古でした。しかも、濃茶も薄茶も名水点(めいすいだて)で行う茶事、ということでしたので、懐石料理も学ぶことになりました。

 

 私がうかがったときにはすでにお料理も中盤にさしかかっていましたが、お椀に入れるそうめんの端を糸でしばってゆでたり、キュウリの飾り切り、香の物は1mmくらいに薄く切ることなど教わりながらお手伝いしました。一番驚いたのは、飯は炊き立てをすぐに一文字によそい、芯があるくらいの状態ですすめ、次に蒸らしてほどよくなった状態を2膳目によそうという作法。今回はやや蒸らした飯を1膳だけいただきましたが、興味深かったです。

 

 名水点は水指にしめ飾りをすることで、客は名水を使用していることがわかるというものですが、幣束も飾ってあって、なんだか神様のお水みたい。幣束は先生自らの手作りで、お稽古後半には和紙とハサミで幣束作りのミニ講習会も開かれました。幣束にこういう使い途があるとはね。(今日も、へーボタン押したい!)

 

 今回の水差しは、元は飯を入れるおひつだったそうで、それに漆をかけて水差しとして再利用されていました。ホント、先生らしい使い方だなと思います。私の茶道の先生は、代用品を上手に取り入れるケースが多くて、以前、袴を着ていらしたときに、袴の下に結ぶ袴帯の代わりに、帯枕と帯揚げで代用して着用されていたこともありました。言われるまで全く気づかず、真相を知った私がとにかく驚いていたら、先生、少々ドヤ顔されたかも・・・

 

 濃茶はコロナ禍以降はひとつのお茶碗をまわして飲むことは一切なく、1人ずつ点てるというふうに変わったそうです。日常生活で濃いお抹茶を飲む機会などほとんどない私。濃茶の最初の一口で身体中に葉緑素が駆け巡ったかのようでした。

 「大変美味しくて、クロロフィル~って感じですね。」

 お茶を点てたご亭主に感想を述べるのが礼儀とはいえ、もっと大人な表現がしたかった。その後、薄茶もいただいたので、本日はダブルクロロフィルでした。

 

 後片付けをしながら、連日の猛暑で先生も生徒の皆さんもお疲れ気味という話題が出て、8月のお稽古は全休にしましょう、と急遽決まりました。和装熱が再燃してきたので、今日は有松絞(ありまつしぼり)の浴衣でお稽古に行きましたが、これからのお稽古でまた着物を着られると思うとますます楽しみ。でもお点前の順序はなかなか覚えられないダメ生徒なので、1ケ月空いたらまたすっかり忘れそうです。帰宅すると必ずYouTubeで復習はしているんですが・・・。

 これが60の手習いの現実ですかね。