還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

茶道教室で、将来のことをふと考える

紅梅

紅梅が美しい先生宅の玄関先

 いつものように茶道のお稽古が終わり、先生と最後まで残った生徒のHさんと世間話をしました。Hさんは役所勤務だったそうで、確定申告についてもお詳しい。そこで先生がご自分で貸している田んぼの事が話題になりました。

 毎年、お米が10俵も収穫されるのだそう。先生のお宅も多い時は7人家族でしたが今は独居。主に親戚に配って喜ばれているそうです。ただ、毎回玄米を精米所に運び、きれいな袋に詰め替えて宅配便で送るのも最近では面倒だとおっしゃっていました。しかも送り先である自分の兄弟関係は減る一方で、若い世代やその関係先に送ることもあるとか。

 

 ご近所も亡くなる方が多くなり、行き来するお宅も以前に比べたらめっきり減ったそうです。今年の正月もお子さん方は誰も帰省しなかったそうで(寒いからが理由とか?)、先生の方からお子さんのお宅を訪ねたそうで、お米の話題から、自分の周囲から人が居なくなっていく、不安と寂しさが伝わって来る内容へと移っていきました。

 

 先生としては貸した田んぼからは米の物納じゃなくて現金払いにしてもらっても良いとは考えているようですが、これまで何十年もお米を送り続けて来た習慣を辞める決心がつかないともおっしゃっていました。お米を送れば相手と必ずやり取りができるので、それも捨て難い様子。

 先生は以前は味噌を大きな樽に3つも作り、私もよく頂いておりましたが、味噌作りは辞めたそうです。こちらは「辞めてよかった。」とのこと。

 

 それならばお米もそうすれば良いと思うのですが、なかなか決心がつかないご様子。ただでさえ、つきあいが減っていく中でお米を送るのを辞めたらもっと淋しくなるのではと心配されているようです。

 私が遠く離れた友人とzoomで時々おしゃべりしている話をしたら、先生もHさんも「ズームってなあに?」

 

 先生76歳、Hさんも同じくらい。2人とも独居で、茶道に熱心に取り組まれていらっしゃいます。先生もいまだに別の教室のお稽古に通っていらっしゃる…。

 

 「先生とHさんには茶道があるじゃないですか!これからもずっと続けてください。お2人から教わりたいんです。よろしくお願いします。」と私。

「つくどんさんが毎週通ってくだされば、先生や私の見守り確認にもなるわね。」とHさん。

 

 最後は笑っておしまいにしましたが、あと十数年したら私も彼女たちと同じ心境になるのかな。

 その頃はAIがお友だちかもしれませんね。