還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

とても和やかな茶道のお稽古でした

茶花

バイカウツギクンシランヤマアジサイ

 裏千家薄茶点前(うすちゃてまえ)のお稽古で、お道具拝見というものがあります。棗(なつめ・・・抹茶が入っている容器)と抹茶をすくう茶杓(ちゃしゃく)を拝見させていただく作法。

 心づくしのお道具を客のために亭主が選んでいるので、それを見せていただくというわけです。茶道って本当に演出の世界だと思います。そもそもの茶室がそういう造りになっているし、掛け軸もお花も、照明まで、細かく考えられているなあ、と稽古するたびに強く感じます。

 

 お道具を見せていただいたら、最後に亭主と正客とでお道具についての問答があります。

 まずは棗から。

 正客役生徒(以下S)「本日は大切なお道具をありがとうございました。お棗のお形(かたち)は?」

 亭主役生徒(以下T)「中棗(ちゅうなつめ)でございます。」

 S「お塗りは?」

 T「蒔絵、独楽(こま)でございます。」

 S「お作(さく)は?」

 T「宗哲(そうてつ)でございます。」

 

 次に、茶杓を尋ねます。

 S「茶杓のお作(さく)は?」

 T「当代お家元でございます。」

 S「何かご銘でもございましたら・・・」

  

 そう言われたら、各自で考えて来た季節にふさわしい言葉を答えます。

 私の前に亭主をやった生徒は「薫風です。」と答えました。

 

 あ~!先に言われちゃった・・・。

 

 すると先生が「他にも、早苗や早乙女、晴嵐 (せいらん)というのもありますね。」

 

 あ~!早苗も出ちゃったよ・・・。

 

 ヤバい、ヤバい!

 次のお点前は私の番です。トイレに行くふりをしてその場を離れ、あわててスマホで検索・・・。5月のご銘で「端午(たんご)」を発見。初孫に五月人形を贈ったばかりだから、うん、これにしよう!

 

 お道具拝見が私の番になり、棗から茶杓の作までは何とか言えました。

 「何か、ご銘でも?」

 すかさず先ほど用意した(カンニングと呼ぶべきか?)銘を言わなくちゃ!

 「端午でございます。」

 

 すると先生が大笑い。

 「田舎っぽいわよ~!」

 

 「???」

 

 あ~!もしかして、「田んぼ」に聞こえちゃったんだ!

 

 「先生~、田んぼじゃなくて端午です!初孫に五月人形を贈ったばかりですので。」

 

 それでまた皆で大笑い。何とも和やかなお稽古となりました。