還暦記念の「ざ びぼうろく」THE備忘録 

目にとめてくださり、ありがとうございます。還暦を機に、これまでの想いやこれからのことを毎日書いていきます。

見えないところこそ、大切にしたい。

糸クズ

見えにくいのですが、本体上下から縫い糸2本出ています。全部切り終わったらこんなに。

  子育て支援会場で寄付を兼ねたグッズ販売があり、かわいいおひさまマークがプリントされた帆布バッグを買って来ました。

 縫物好きな私は、どうやって縫製しているかがすごく気になります。硬いバッグをひっくり返してみてびっくり。ミシンをかけ終わったあとの、長~い糸があちらこちらから出ています。これまでもそういう市販品に出会ったことはありますが、今回はこれまでの最長記録かな?

 

 タグにはメイド・イン・バングラデシュとの記載が。異国の縫製工場で縫われたのですね。糸始末って地味な作業ながら、きちんと行わないと完成品の価値にだいぶ影響が出るので厄介です。私も自分で縫い終わったとの糸始末にうんざりすることもたびたび。ギリギリで切らないと見栄えが悪くなるし、しつけ糸、ロックミシン、本縫いミシン、始末しなければならない糸は結構な本数になります。

 いつだったか、糸始末は子どもでもできる単純作業ゆえに、海外の児童労働搾取につながっているとの番組を偶然に視聴したことがあります。今思い出しても後味が悪い・・・。

 

 昨年度まで高校教員だったのですが、主に家政系への進学を希望する生徒を対象に自己推薦で大学に行きたい生徒の面接指導を毎年のようにやっておりました。最後に指導した生徒は、将来アイドルの衣装を作る仕事に就きたいのだそうで、被服系が学べる大学を希望。

 家庭科の教科書と資料集を使って被服分野について解説しましたが、最近はSDGsの観点から衣類の大量生産、大量廃棄についての記載も見られます。負の面にも目を向けて欲しいと「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」という映画のことも話題にしました。ファッションというと華やかな面が強調されがちですが、光があたれば必ず影もできますからね・・・。

 その生徒は見事志望大学に合格し、何と私の出身大学の後輩となりました!

 最近、AKB48の衣装を間近で見る機会があり、どれもとても手がこんだ作りになっていて圧倒されましたが、教え子が就きたい職業だと言っていたのも納得。

 キラキラした世界で頑張っていって欲しいものです。

 

 トートバッグはすべての糸始末を完了したら、見違えました。裏側なのでそのままで使うこともできなくはないのですが、やはり気分良く使うには見えないところまで手を抜かないことが大切だと、再認識した次第です。