今年はどのお宅も柿が豊作なのでしょうか?
我が家は次々と頂きます。ありがたいことです。
中には渋柿をくださった方もいます。私が躊躇していると、
「干し柿にすればいいのよ。」
ヘタを焼酎につけて渋を抜くのではなくて、その方は「干し柿推し」。
干し柿ね・・・。
私は小さいときから、干し柿が苦手。
理由その1
初冬の夕暮れ時、薄暗い部屋で80代の祖母が入れ歯をカツンカツンと音をさせて、「うまいなあ・・・。」と言いながらゆっくりゆっくり食べていたから。5歳の私にとってその光景はなぜか恐怖体験として今でも焼き付いています。
・・・って、おばあちゃん、ごめんなさい。
理由その2
ただ甘いだけで酸味を感じないから。果物はやっぱり甘味と酸味の両方が欲しいです。干し柿を刻んでヨーグルトに混ぜたこともありました。ヨーグルトの酸味で何とか食べることができましたけどね。
渋柿をくださる、というご厚意を無にすることはできないので、大きなものを2つだけ頂いて帰ってきました。人生初の干し柿作りです。1つはすでにブヨブヨ状態。何とか皮をむきました。丸いまま、ヘタをひもでくくって干すことは不可能。スライスして干し網に並べることにしました。
この時点ですでに干し柿というカテゴリから脱落。
初日は、ブヨブヨ柿は網にべったりとくっついて、網目から液体が落ちてきそう。3日目、かびが生えているものを1切れ発見。やっぱりブヨブヨの方は失敗かな?
でも、この先どう変化していくのか、何だか興味津々になり、そのまま実験を続行することにしました。「実験」と表現している時点で、「保存食作り」というカテゴリからも脱落です・・・。
干し始めて早2週間。少しずつ寒さも増してきて、あんなにべったりと網にくっついてた「ブヨ子」(毎日見ていたら愛おしくなり、名前をつけてあげました!)も網から外すことができて、何と裏返しにも成功!
しげしげと眺めていたら、「食べたい」気持ちが抑えきれず、ブヨ子じゃないのを1つ口の中へ。
「あら、イケる!」
酸味こそないけれど、濃縮された柿本来の味が口の中に広がりました。
これこそが干し柿の醍醐味?
私も年齢を重ねて、こういう大人の味がわかってきたのかも。
次の日もまた、非ブヨ子をつまみ食い。
「イケるじゃん!」
私はそのおいしさを確信したのでした・・・。
渋柿、もっともらえばよかったかなあ。
さて今の悩みは、このまま干し続けるべきか、もうこの辺でおしまいにして食べちゃっていいのか、見極めがわからないことです。特にブヨ子の方は完成品を想像できずにいます。
ゴールテープでも、うっすら見えていたらいいのに。