放課後の小学生相手のボランティア先には、元気な小学4年生と5年生の男子2人がいます。「元気」というより、反抗期真っ只中。
その日も「トイレに行って来ます。」と2人が部屋を出て行ったきり、一向に戻って来ませんでした。「さすがにトイレにしては長すぎる。あの2人のことだから、きっとまたどこかで遊んでいるのでは。」
職員が見に行こうと思った矢先、「ただいま~。」2人が戻ってきました。
彼らは学校の体操服を着ていますが、お腹に平らな物体を隠しているのが見え見え。つまりどこかにタブレットを持って行って、ゲームしてきたということです。我々が見ていることにも気づかずに、ニヤニヤしながらランドセルにタブレットをしまっていました。まだまだかわいいね。
そもそも、その建物にはWi-Fiがないそうで、きっと、隣の小学校から飛んでくる微細な電波を利用して、ゲームに興じていたと想像できます。
「ずいぶん、長いトイレだったね~。」と職員が声をかけても、聞こえないふり。
その後「先生、電卓貸して!」と小5の彼。2人で笑いながら頭をくっつけあって、算数プリントを作っていました。
「誰か、このプリントを解く人はいませんか~?」
大人たちに向かって叫んでいます。
「やらない。」「やりません。」と大人たちからはつれない返事。
そこで、私が挙手。「やりまーっす。」
ところが私が計算に夢中になっている間に、彼らの興味はUNO(カードゲーム)に移っていて、私が途中で質問してもあまりとりあってくれません。
10分で全部解き、UNOの合間に彼らに見せましたが期待するほどの反応は無し。満点ではありませんでしたが、私には妙な達成感。ところが彼らは相変わらずUNOに夢中。
ま、こんなものか…。
そのうち、小4の子は保護者が迎えに来たので、今度はUNOの続きを私がやることに。
UNOをやるのも何十年かぶり。知らないデザインのカードがあって、いちいち聞きながらでしたが、お互い真剣勝負だったので楽しかったです。小5の彼はひたむきで集中力があり、賢い子でした。大人を試すような知恵はちょっと困りますが。
その日の私は、子どもと向きあう気持ちがあまりなくて「今日はボランティアを休もうか。」と思っていたのですが、収穫あり!でした。行って良かったです。
いつもルールを守らない、やんちゃな子たちの新しい面もわかってちょっと嬉しかったなあ。ただ次回会ったときは、またいつもの憎まれ口を叩くのでしょうけどね。