先月は玄関先に凧を飾っていましたが、昨日それを片付けて、お雛様を飾りました。昭和40年頃から飾っている古いお人形です。
フルタイム勤務で忙しかった母親と一緒に飾った記憶はほとんどなくて、小学生の時からいつも自分ひとりで飾っていました。「3月3日過ぎまで飾っておくと嫁に行くのが遅くなる」という言い伝え?を信じて、3月早々にこれまた自分で片付けていたという超真面目女子。あちこち痛んでいる人形を眺めては、もう少し丁寧に扱えばよかったとも思います。
小学生の頃、五人囃子の笛を紛失してしまい、仕方なく爪楊枝で代用していました。タバコをふかしている父親の前で、笛がないことを嘆いたら、紛失したことを叱られるかと思いきや、父親が突然小刀でマッチ棒を削りだしました。丁寧に刻みを入れ、油性マーカーで模様を描いて笛もどきを作ってくれたのです。
最初は「こんなかっこ悪いもの・・」と渋々飾っていましたが、毎年毎年飾っていたらそれはそれで愛着が湧き、今では亡き父の愛情を感じる数少ない品として、大切な道具となりました。
自分が子育てで忙しいときには全部は出さずに親王飾りだけにしてみたりと、飾り方を省略したこともありましたが、なるべく飾るように心がけてきました。
長女が生まれ、新たな雛人形も楽しみにしていましたが、彼女は初節句を迎える前に虹の国へと旅立ってしまいました。ですから我が家にある雛人形は私のこの人形だけ。大切に、3月末まで飾っておくつもりです。もう私はお嫁には行きませんのでね(笑)